製本業である私たちには、お得意様からご提供いただいた印刷物を加工してお返しするという仕事の特性上、「これが当社の製品です。」とご紹介する機会がなかなかありません。
とはいえ、印刷物の最終加工工程としてノウハウやアイデアを積み重ねてきており、当社だからこそご提供できる紙製品が多数あります。一回使っただけではもったいない、多くの方に使っていただきたい加工を集めて、サンプルブックを作ってみました。
ご提案や企画のアイデア出しに使えるサンプル集になっておりますので、ご希望の方は、お問い合わせよりご連絡ください。
コンセプト【型抜き+アンカット+インデックス】
通常の中綴じ加工は、綴じた後に三方断裁をして仕上がりサイズに仕上げます。しかし、裏表紙の内側にポケット加工がある場合、仕上げの断裁してしまうと壊れてしまうため、三方断裁なし(アンカット)の状態で製本を完了するしかありません。綴じる前の断裁の精度がそのまま品質に直結するため、技術力が試される製本方法になります。
ポケット加工と同様に、断裁の精度が求められる加工であるインデックスや寸法違いページも併せて構成を作りました。各構成要素それぞれで、どれか一つでも加工精度が落ちると繋がらず冊子としてのデザインが成り立たないため、どこまで品質を高めることができるかチャレンジする意図で制作いたしました。
ポイント1:ずらしインデックス
各ページの形状やサイズを変えることで、手で触るだけで目的ページを直感的に調べることができる機能を持つのがインデックス加工です。
手帳製本によく使われているような抜き加工によるインデックス形状が一般的ですが、小口の寸法をずらして変えていくことでも同様の効果を得ることができます。今回はずらしの変化を、断裁仕上げでなく折りの幅を変えることで実現しています。
ポイント2:窓あけ+袖(斜めカット)
表紙には大きな窓をあけ、内側のページを覗けるようになっていて、さらに斜めにカットした袖をつけることで段差をつけ、立体的に見えるようにしました。大きな窓をあけると強度不足になり、シワが寄りやすいので、袖部分は表紙の強度を上げて加工難度を下げる工夫の意味合いもあります。
表紙の加工は、手にとって開いてもらえるか大事な要素なので、インパクトのある窓加工は人気があります。
ポイント3:寸法違い綴込み
小口のずらしだけでなく、天地の寸法も異なるページも綴じることができます。はがきや申込書など冊子の内容とは独立した別の紙であることが多いですが、通常のページ構成の中でアクセントとして使うこともできます。
今回は次のページの斜めの線と繋がるようなデザインをしてみました。断裁・折り・中綴じの3行程を経ても違和感なく繋げることができる見当合わせの技術にご注目ください。
ポイント4:観音ページ
中央部分には、冊子の幅よりも倍に広げることができる観音ページがあります。当社では表紙・本文問わず、任意の位置に観音ページを配置することが可能です。折り方の数や向きも自在に対応します。
観音ページを小口よりも2mm程度短くするか、小口に揃えるかにより加工方法が異なり、小口より小さくする方が工程が少なく、小口に揃えたい場合はアンカットにする必要があるので冊子の仕様に制限がでます。
ポイント5:ポケット加工
最後のページには、別に製作した冊子やペラを投げ込むためのポケット加工がされています。また、名刺を差し込めるカットも追加しています。
会社案内でよく使われる加工で、変動がない共通の内容を本文にし、ポケット部分には追加の資料や時期によって入れ替わるチラシなどを投げ込むという使い方をされます。ポケット部分は形状のカスタマイズも可能です。
ポイント6:PL法対応針金
通常の針金は触ると引っかかってケガをさせてしまうリスクがありますが、通常と異なり、内側に膨らんでいて針先がノド側に向いていて指に引っかかりにくくしたPL法に対応した形状に変更しています。
この記事を読んで気になった方は、下のボタンよりサンプル請求をお願いいたします。